何がきっかけでこの言葉【地の塩の箱】を思い出したのか全く解らないのですが、
小さい頃に見たことがあり、何のための箱かも教わって知っていました。
子供の頃に10円とか、5円とか入れた覚えもあります。
電車賃が足りなくなったり、食事が出来なかったり等、困った人はこの箱から
必要なお金を取り出して使ってください。そういう意味の箱でした。
持っている人がお金を入れて困った人がそこから出して使う。
自分が知っていたのはその程度の事だけでした。
昔、自分が見たのはたぶん千葉県の国鉄船橋駅あたりです。
今もどこかにあるのでしょうか、どういう人が始めたのでしょうか?
今更ですが気になり始めてしまいました。
江口榛一氏(えぐち-しんいち)
1914年3月24日生まれ、詩人であり、社会運動家でもある。
【地の塩の箱】の創始者。
1979年4月 自害。
【地の塩】というのは新約聖書マタイ福音書に書かれている言葉で、
「あなた方は、地の塩である。もし、塩のききめがなくなったら、何によってその味が取り戻されようか」
要するに世の中になくてはならない働きをする者の意味なんだそうです。
江口氏はカトリック教徒でもあったそうで、聖書の言葉から「地の塩の箱」が生まれたんだそうです。
一時は700個以上の箱があちこちに取り付けてあったとの事です。
「地の塩の箱」が善意の輪を作ると信じ、自らお金を入れていたそうで、人々の善意でそれなりに募金も
集まっていたようです。箱にあった10円のおかげで自殺を思いとどまったという方もいたのだそうです。
昭和31年と言えば終戦後11年、まだまだ世の中は混乱していたのだと思います。
そんな江口氏が自殺をしてしまったのは1979年(ご自宅にて)、長い間の精神的、金銭的苦悩と、
健康状態の問題、誰も後継者がいない等、、身も心も疲れ果てての事だったと書かれていました。
何気なく見ていた地の塩の箱、こんなご苦労があったとはつゆ知らず、今もまだあるのでしょうか?
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